前回マウスをRazerに買い換えたとレビュー記事を出したように、キーボードも同じタイミングで買い換えていた。今回はそのレビュー。
レビューなんだけど現在国内唯一の正規輸入代理店である「ふもっふのおみせ」に現在(2022/3)在庫がないため、ほしい!ってなっても正規価格では手に入らないのでそこは理解した上で読んでくれ。
ちなみに別デザインで同じモデルであれば在庫があるため機能面に惹かれた場合はそちらの方の購入も検討してもいいかもしれない。
(2022/6/17 追記)V2として、マイナーモデルチェンジして帰ってきてた。
URLはすべてそちらに貼り替えました。V2の紹介の項は最後に加えています。

動画あります
動画ではE元素とのタイピング音の比較等を紹介しています。
英語配列のキーボードがほしい!
日本で入手できるキーボードのほとんどを日本語配列(JIS)と英語配列(US)の二種類に大別できる。
違いは特定のキーの大きさや記号の微妙な配列くらいで、この配列だと致命的にこれができない!なんてことは普段利用ではあり得ないので慣れや好みの問題ではある。
実際はこれ以上に複雑にキー配列の規格は設定されているのだがとりあえずエンターキーがデカいのが日本語配列、小さいのが英語配列だという認識で構わない。
僕は英語配列のキーボードであることを新しいキーボードの条件としてまず挙げた。というのも買い換え前のキーボードが英語配列のキーボードだからである。
前回のキーボードはレビュー記事を出している、E元素のZ88。
Z88は格安中華キーボード。日本語配列なんて用意されていない。
3年近く英語配列キーボードを使っちゃったせいでもう英語配列でしか文字を打つことができなくなってしまった。
見た目においても英語配列のほうがスタイリッシュで好きなんだ。
というわけで英語配列キーボードから探すことにしたんだけど意外と候補が限られてくる。
日本でもある程度の販売台数が見込まれるような大手メーカーのキーボードはちゃんと日本市場向けに日本語配列モデルが用意されている。LogicoolとかRazerとか。
日本語配列を用意するのはいいんだけど日本では日本語配列しか売ってないものもしばしば。売ってても正規価格ではなかったり。
たちが悪いのは画像は英語配列なのに実際の製品は日本語配列ですとかいうキーボード。ほぼ詐欺やん。
というわけで日本市場における英語配列キーボードの肩身は若干狭いのだけど、探せばまだ見つかる。
知る人ぞ知る、だけど知る人にとっては有名なVARMILOというブランド
この記事を読んでいる人がVARMILO目当てなのかそうじゃないのかはよくわからないが、VARMILOを知っている人がどんな人なのかはなんとなく想像がつく。
VARMILOは中国にあるデバイスメーカーのキーボードブランドで、読み方はアミロ。
また中華の格安品かよ!と思われるかもしれないけどVARMILO製品の平均価格は16,000円あたり。そこそこに高級キーボードである。
この価格の理由の大半がスイッチ代だと思われる。中華の格安キーボードというのはだいたいがCherryMXのコピー品である格安のGateron製のスイッチなのだが、VARMILOのキーボードはCherryMXか、VARMILOオリジナルスイッチを採用している。
CherryMXとGateronは価格が二倍近く違う。
なんともVARMILOの本気度が伝わる。
ただキーボードをスイッチのメーカーで選ぶような人はいない。いたとしても相手にしてはいけない。VARMILOが密かに人気な理由は他にある。
デザインである。
VARMILOのキーボードの特徴はデザイン性の高さ。


こんなにかわいらしいキーボードを見たことがない。
このありそうで他に例のないデザインがカワイイ好きの層に刺さる。他にも多数のデザインそしてサイズを用意しているほか、料金は跳ね上がるがカスタマイズサービスまで用意されている。

キーボード沼の浅瀬から深淵までカバーするためにVARMILOは幅広い層の人気を得ている。
しかし、国内での取り扱いは限られる。
普通にAmazonでキーボードをだらだら探しているだけでは辿り着けない。実際に手に入れて使用している人から情報を得ない限りVARMILOの存在を知ることなく過ごすことになる。
これが知る人ぞ知る、だけど知る人には有名な理由。
ふもっふのおみせとVARMILO
数少ないVARMILOを多く取り扱うのがふもっふのおみせ。VARMILO製品の国内唯一の正規輸入代理店である。
というかJP.VARMILOの運営がふもっふのおみせを運営している株式会社フェルマー。
VARMILO以外にもあまり他の通販サイトでは聞かないようなメーカーのキーボードやマウス(ばかり)を多く取り扱っている。だいたいデザインがいい。
いつもはAmazonばかり眺めている皆さんも新しい切り口としてふもっふのおみせを覗いてみてはいかがだろうか。
VARMILO製品を手に入れるのであればふもっふのおみせ一択ということになる。今回のキーボードもクリスマスセールが開催されている際にこちらで購入した。
セール告知はふもっふのTwitterでやってるのでTwitterをフォローすればいいと思う。
開封

外箱ちょーオシャレ。キーボードが入っているとは思わない。ちなみにふもっふのおみせで購入した場合はこの箱がちゃんとダンボール箱に入って送られてくる。

Keyboard artist。键盘艺术家の訳も同。

内容物
- キーボード本体
- キープラー
- ケーブル
- 一部透過キーキャップ二種

一部透過キーキャップ二種。
CapsLockとScrollLock機能が有効な際に光るのだけどそれを視認するための孔が開いた付け替え用キーキャップ。僕は使ってない。

VARMILO製キープラー。キープラーばっか増えてく。
恐ろしく美しい外観

VARMILOのキーボードはデザインが素晴らしいと言ったんだけど、このMoonlightもえらく綺麗に完成されたデザインになっている。
真っ白デバイス信者だった僕の信念を見事にへし折ったこのデザイン。

EscとEnterとSpaceが青(水色?)、周囲が濃い灰色、文字や数字のキーが薄い灰色になっている。
カワイイ系のデザインが多めのVARMILOの他製品に比べるとかなりシック。これでも青の差し色がかわいいけどね。

ちなみにMoonlightというのはキーキャップのデザインの名前で、モデルの名前は「MA87」。同デザインの別サイズのキーボードであればMoonlightという名前がついている。

キーキャップもフレームもすべてマットな質感。キーキャップはPBTで、一般的な安価なキーキャップに使われるABSに比べて高価で耐久性が高い。
印字も昇華印刷なので印字が消えるなんて劣化とはお別れできる。昇華印刷の品質の良さもPBTの耐久性の高さが助けている。
ただ、品質はちょっと残念。ところどころバリがみられる。機能面に問題ないとはいえここまで材質に力入れるんだったらそこもこだわって欲しかったな~という気がする。
ちなみに青のキーキャップだけが白に青い塗装で、灰色のキーキャップは成型色。

キーキャップは一般的な高さ。薄型のキーキャップは見た目が好きではない。大きく感じる。
とっても重いローズ軸

キースイッチはVARMILOオリジナルのローズ軸というもの。
VARMILOはメカニカル静電容量とかいう奇妙なキースイッチを開発している。メカニカルの押し心地と静電容量の耐久性を兼ね揃えたものらしい。
押下圧や打鍵感によって今回のローズ軸の他にデイジー軸やサクラ軸、グリーン軸など、様々な種類が存在する。
ローズ軸の押下圧は55g±10g。
これがそこそこ重い。手の自重だけではびくともせず、グッグッと押し込まなければ沈まない。

少なくともゲームでの利用は断念した。文章を打つときのように各キーを一回一回打鍵するだけであればまだ耐えられるんだけど、Shift押しっぱとかCtrl押しっぱとかの場面が存在するゲームでの利用になると、バネの反発を常にくらい続けてすぐ疲れてくる。
なのでゲーム時は前の6,000円キーボードを使っている。わざわざ。どうしたものか、ゲーム用のキーボードをまた買うのか。勘弁してくれ。

ゲームは無理として、僕の場合このキーボードで1記事5,000字近いブログ記事を書いているわけだけど、なんだかある種のトレーニングのように思えてくる。
明らかに他のキーボードを使った場合と疲労感が違うのだけど、これを僕は良い疲労感だと騙している。
重いけど打ち心地はめちゃいいんだ。
で、なんでそんなキースイッチを選択したかといえば、ふもっふのおみせで取り扱っているMoonlightのキースイッチはローズ軸しかなかったから。
他のキーボードは各種VARMILOスイッチやCherryMXのスイッチを選択できる。今後取り扱いが増えるのだろうか、在庫が復活するのが先か。

スタビライザーはちゃんとした造りでできている。安定感はそこそこ。
打鍵音
ローズ軸はリニアタイプで、音がおとなしめなやつ。普段使いではあり得ない距離で録音しているけど打鍵音も一応載せておく。
よく聞いてもらうとわかると思うんだけど、背後でコーンコーンと金属音が聞こえる。やはりメカニカルキーボードの金属音問題からは逃れられないんだろうか。
ただこれも中心近くのキーを強く打鍵したときにのみ若干聞こえる程度なので、金属音が生じる原因を考えればこうなるのは仕方ない。
常にイヤホンをして音楽を聞きながら作業しているので聞こえない。
打鍵音を文字で表すなら「タカタカ」だろうか。高級感のある「ゴトゴト」なイメージでいたんだけど想像より元気な打鍵音。あの重さでこの音。音は好き。
なんでMini USBなん

この無敵のキーボードになにより残念な点がある。
なんと接続方法がMiniUSB。TypeCはキーボードには必要性を感じないからまだいいとして、MicroUSBですらない。MiniUSB。
???
なんで?
別に頻繁に抜き差しするわけでもないからいいんだけど、1つやりたかったことがある。
カスタムケーブルと呼ばれるものをご存知だろうか。
キーボードの配線をはじめとした、隠せない配線を美しく魅せるべく、布等の質感の良い素材で作られたり、個性的な色がついていたりといった見た目に全振りしたケーブルである。
キーボードに付属するような簡素なものではなく自分で好みのケーブルにできるというのが売り。だからカスタムケーブルと呼ばれる。
1本5,000円越えてくるあたりが相場なので迂闊に手は出しにくいというかたかがケーブルにほんとにバカバカしいと思ってたんだけどここまで来たらそういうものを使ってもいいなと思ったんだ。

ただこのカスタムケーブル、MiniUSBタイプのものがほぼ存在しない。
そりゃそう、MiniUSBのキーボードなんてこれで初めて見たんだもの。だいたいMicroUSBかTypeC。
あるにはあるんだけど妥協してケーブルに5,440円は払いたくない。

なんでMiniUSBなんかにしちゃったんだろう。理由があるのなら聞きたい。納得はするはず。
幻のキーボード

VARMILOのキーボードのレビューは調べればそこそこ出てくるんだけど、このMoonLightのデザインのものをレビューしているものは見たことがない。
ふもっふのおみせの初入荷日が2021年の11月(ふもっふのツイート参照)で、僕が購入したのが同年12月。そして年明けて2月にもう一度調べてみると在庫切れ。
びっくり、在庫4ヶ月。入荷数が少なかったのかよくわからないんだけどこのキーボードを国内で入手できた人は限られるのではないか。少なくともレビューは僕の怪文書の1つしかついていないので超人気商品というわけでもなさそうだし。
不覚にも(国内で)幻となってしまったキーボード、なんだかレア感があって嬉しいので在庫が復活してほしいような復活してほしくないような。
そんなキーボードでした。

復活!幻のキーボード(2022/6/17追記)
ふもっふのお店から新商品入荷のお知らせのメールがたまに届くんだけど、ついにこのキーボードにも復活の時をお知らせするメールが届いた。
ただ在庫復活したわけでなく、進化して帰ってきたらしい。
正式名称はVarmilo 87 Moonlight ANSI Keyboard V2。末尾にV2がついた。

マイナーモデルチェンジといったところか。V2はストアページの情報からでしかないが変更点を挙げる。今回紹介した僕のものと同じキーボードは「無印」、復活版は「V2」と表現する。
変更点 | 無印 | V2 |
軸 | ローズ軸のみ | デイジー軸/桜軸 |
インジケーター | キーの位置 | 右上 |
チルト | 1+1段階 | 1+2段階 |
重さ | 2.0Kg(パッケージ含) | 1.6Kg(パッケージ含) |
接続方法 | mini-USB | Type-C |
水色キーキャップの印字 | 黒 | 白 |
価格 | ¥17,170 | ¥20,680 |
一個ずつ見ていく。
軸
軸が増えて戻ってきた。
Varmiloオリジナルである、デイジー軸と桜軸が追加された。
ただ、ローズ軸が消えた。ということなので無印仕様のものは相変わらず幻のキーボードのままといってもいいのかもしれない。
桜軸はその静音性や押し心地で人気の軸。デイジー軸は押下圧35g±10gの軽さが特徴的。
インジケーター
CapsLockやScrollLock機能のONOFFを知らせる(ONだと光る)LEDの位置が、無印では2つのキーそれぞれの下のLEDが光る仕様で、付属の確認用の透過部分のあるキーキャップに差し替えることで確認できていたが、V2では右上に小さなLEDが追加されており、そこで確認できる。
確かにV2のほうがわかりやすくていいと思う。CapsLock、ScrollLockを使う人がどれだけいるかはわからないけど…。
チルト
スタンドを立てることでキーボードに角度(チルト)をつけられる機能のこと。
スタンドを立てていない状態を1段階とすると、無印ではスタンドを立てることで1段階追加されるわけだが、(1+1段階)V2にはスタンドが2つ存在することで2段階追加される(1+2段階)。
ここは個人差。画像を見るにおそらく無印のスタンドを立てた状態の角度と立てていない状態の角度の中間の角度がつけられるんだと思う。
重さ
無印からV2になって0.4Kgの減量に成功している。ただパッケージ含む重量なのでパッケージだけが軽くなっている可能性もある。重さ別にどうでもいい気はするけども。
接続方法
ここが一番重要なポイントですよ。僕が唯一の欠点として挙げたminiUSB接続から大進化を遂げて念願のType-C接続へ。
これにてカスタムケーブルの幅が広がる。とても喜ばしい変更点ではあるのだけど僕としては複雑な気分。
とはいえ唯一の欠点を克服したわけなので、このキーボードに死角なし。買いです。
水色キーキャップの印字
MoonLightのキーキャップは灰色がメインだが、Enter、Escape、Spaceの3つだけ水色になっている。そのEnterとEscの文字の印字が無印では他のキーと同じ黒(濃い灰色?)だが、V2では白になっている。
僕は無印の黒で統一されているほうが好き。水色に白は単体でかわいいんだけど周囲のデザインがシックなだけに浮いてる感はある。
価格
無印(17,170円)→V2(20,680円)。3,510円の値上げ。値上げっていうかモデルチェンジなんだから普通に値段が違うだけなんだけどついに20,000越えてきた。
少し手は出しにくくはなったけど今からMoonLightを買おうとなるとV2しか選択肢がない。ただType-Cになっただけでも全然価値が上昇してるのでやっぱり買いです。