マウスパッドの必要性は日夜議論が続けられている。マウスを使うならマウスパッドが絶対必要!というかあるのが当たり前だった。気がする。しかし今ではマウスパッドのないデスクが増えている。マウスパッドがいるのかいらないのか、少し整理したい。
マウスの進化と共に廃れていくマウスパッド
まずは議論の対象であるマウスパッドを深堀りしてみる。大した内容ではない。
マウスとマウスパッド、登場
0から知るには辞書がいいでしょう。 マウスパッドを検索。
マウスパッドとは、マウス操作を補助するためにマウス下に敷かれるシートのことである。
主に、ボールの回転で移動を検知するメカニカルマウスにおいて、ボールが滑らずに転がるようにする役割を持っている。あるいは、毛クズなどを巻き込んで帯電したりボールの転がりが鈍ったりする事態を防ぐ効果もある。
Wenlio辞書-マウスパッドとは何?
なるほど、マウスパッドは今より尊厳があったのである。初代マウスつまりボール式のマウスにマウスパッドは必要であった。ホコリを弾く机の上のホコリからマウスを守り、どんな机の上でも滑りやすく、使いやすくするべくマウスパッドは生まれたのであろう。
マウスパッドありきのマウス時代
しかし時代は変わり技術は進歩した。ボール式のマウスなんておじいちゃんの家でしか見たことない。
やがてLED方式のマウスが主流になる。
光センサーで移動を検知するオプティカルマウスでは、センサーの読み取りを助けるために、縦横一定間隔に線が引いてあるマウスパッドが用いられる場合もある。特に初期のオプティカルマウスでは、専用のマウスパッドが必要不可欠だった。
Wenlio辞書-マウスパッドとは何?
感知のためのパーツが直接机に接することなく操作ができるマウスの登場により不要になるのかと思えばここでさらにマウスパッドの尊厳は増強されることとなる。初期の専用マウスパッドのような存在が、マウス+マウスパッドの典型を作ってしまったのだろう。
マウスの進化、マウスパッドはいらない子へ
が、非情にも時代は進む。専用マウスパッドを必要としない正確なLEDが台頭し、色も赤から青に、レーザーとも言われる不可視光なんてのも。
さらにはトラックボールが普及し始める。ボール式への回帰かと思いきやそのボールを動かすのは人の指。どれだけLEDの性能がよくてもマウスを動かす以上、滑りやすさだけは机に左右されるため滑りやすさのためにギリギリその存在価値を保っていたマウスパッドも、動かさないマウスの登場によりその必要性が疑問視されることとなる。
いつも必要としてくれていたじゃないか。急にマウスパッドはその地位を剥奪され、ただの布と化す。
マウスパッドのメリット・デメリット
マウスパッドがいかにしてここまでの存在になったのはわかった。今の時代の観点からマウスパッドの必要性を今一度整理してみよう。
メリット
- マウスの反応がよい
- マウスが動かしやすい
- マウスを守る
- 机を守る
- インテリアになる
あくまでも一般的なメリットを書き出した。また、トラックボールではマウスパッドの必要性は皆無なのでここでは存在を無視する。一つずつみていこう。
マウスの反応がよい
LED方式のマウスでは、LEDの反射によってマウスの動作を読み取っている。表面が極端に奇妙な形状をしているとカーソルがひっかかったりする可能性がある。最近のマウスは性能が良いので微々たる恩恵とはなってしまったが、マウスパッドのもともとの必要性はここにあった。
マウスが動かしやすい
机の形状によってはマウスが動かしにくいケースもある。オフィスデスクならば筆記ができるほど表面はさらさらなものが多いため問題はないが、手作りのものであったり、滑りにくい素材を採用しているようなものの上でマウスは踊らない。しかしマウスパッドはマウスにとって最高のステージを用意してくれる。マウス操作のために生まれたマウスパッド、マウスに適した素材のはずだ。
マウス、机を守る
マウスと机が触れている以上摩擦が発生する。これはマウスにとっても机にとっても由々しきダメージである。ゲームをするならば激しく操作する場面も出てくるため、被害はより深く、広範囲であろう。さらには手汗問題である。これは局所多汗症である私が特にそうなのだが、マウスを握るとき、手が触れるのはマウスだけではない。机にも触れ、汗がしっかり机へ浸透してしまう。そんな被害からマウスパッドが机とマウスを守るのがマウスパッド。我が身を呈して上も下も守るのか、辛い。
インテリアになる
特に大きな机ではマウスやキーボードがそのサイズ差故に浮いてしまう。大きなマウスパッドにそれらを乗せてしまえばそれなりの存在感が出て、浮いたりすることはない。デザインや材質も様々なので、見た目に悪いことはないはずだ。
デメリット
- 汚れる
汚れる
これはメリットで挙げた、マウスや机を守る、の代償でありインテリアになる、への大いなる損害でもある。主に汗、こぼした飲み物、材質にもよるがマウスパッド自体の擦れや、マウスソールの色がうつってしまったり。衛生的な問題もあり、景観もよくない。擦れ等は洗っても十分にとれないため、個人的にマウスパッドの寿命としては半年である。
マウスパッドはマイナスにはならない
あれ、メリット結構あるしデメリットそんだけ?そう、マウスパッドを導入するデメリットというのはあまりないのである。唯一のデメリットとして挙げた汚れる、に関しても机が汚れれば同じなので、マウスパッドのデメリットは0と言ってもよい。
あくまでもマウスパッドは存在意義を問われているのであって、忌み嫌われるものではないのである。マウスパッドを導入したところでデスク環境がマイナスになることはない。マウスパッドは噛み付いたりしない。
ただしメリットも微妙。マウスのためのマウスパッドはもういない。何故生かされているのかといえば先程述べた呪いに近い固定概念。
だから議論になるし答えが出ない。
俺は使う、けど
おれは使う派であり続ける。私の環境であればいまのところ導入するメリットがまだ残っている。
僕の例だけでも参考にしてほしい。
僕がマウスパッドを使う理由は以下。上が重要度が高い。
- 汗がひどい
- 温かみがほしい
- うるさい
汗がひどい
プロフィール画像の子の名前が多汗しょうじょであるように、私は昔から手汗がとんでもない人間で、滝のようとはまさにこのこと、というほど。これは手と、手ほどではないが足だけの症状で、全身にはみられないので局所多汗症ということになる。まあこれついでに覚えて帰ってほしいんだけど汗臭さの原因であるアポクリン汗腺は手には分布してないので全くの無臭なんですよ。無臭とはいえそもそも汗、液体には変わりないのでモノを侵食する材料にはなっている。そのためマウスパッドより高価で丸洗いはできない机の代わりになるのならマウスパッド使い捨てればいいや、という話。ここでは布製に限る。プラスチック製の硬いタイプも存在するがあれじゃ水たまりができてしまう。あれはゴミ。これについては後述。
温かみがほしい
机は物理的にも硬いし、金属はおろか木でも布に比べれば印象にもどこか冷たい。冷たさは精神状態を悪化するというかリラックスができないのでせめて手が触れるマウス、キーボード付近には布製のマウスパッドを置いてぬくもりを感じ取っている。温かみという点ではフェルトなんかがいいなと思ってるんだけどちゃんとしたフェルトのマウスパッドって高いんだよな~。これも後述。
うるさい
マウスを浮かせて移動させる場面は存在すると思うけど机に当たる度にゴトゴトと音がするのは嫌。これに関してはただそれだけの要素。マウス大事に机大事に近隣との関係大事に。そこまでうるさくはない。
マウスパッドも様々
前述の通り私はマウスパッド使う派でこれからも生きていこうと思うのだけど、なかなかいい条件のマウスパッドが浮かばない。こうしてここで情報を整理して答えを見つけよう!としているのがこの記事。
これからマウスパッドを買おうとしている人はちょっと参考になるかもしれない。
除外候補
明らかに除外されるものを挙げていこう。これらはオススメできない。
光るマウスパッド

側面が光るやつだ。ゲーミングマウスパッド。あんなとこ光らせてなにするのよ、というのを置いておいても、そもそもマウスパッドの寿命が半年であるのにあんなロクに洗えないマウスパッドに半年7,000円も払うのは無理がある。配線も増える。真っ先に除外。無線マウスの充電ができるよ!みたいなのは画期的だとは思ったけど価格がアホすぎる。
プラスチック製(硬い)マウスパッド
下敷きみたいなマウスパッド。価格が安価で、キーボードも乗せられるような大きいものはあまり見かけない。これは前述の手汗問題に起因される。水たまりができる。加えて温かみ問題と音問題も一切解決できていないのでこちらは却下。僕の需要に最も刺さらないむしろ奇跡のマウスパッド。下敷きで代用可能。
アニメマウスパッド

アニメに限らないとは思うけどマウスパッド全面にイラストが描かれたものが該当する。ほとんどマウスパッドのために描かれたものではないため、わちゃわちゃしてるしマウス置いたらなんも見えんのよ。常に敷かれてるのだからそのデザインを楽しむのは無理があるやろ。あと普通に著作権違反品が蔓延っているので近づかないほうがいい。買うなら確認してくれ。Amazonから買うな。
パームレスト付きマウスパッド

手首を乗せる部分がクッション素材で膨らんでて、手首の角度がつきにくくなりマウス操作が楽になる。そもそもパームレストがあまり好みではなく、サイズが小さいものが多い。パームレストが嫌いなのだけどパームレストを使いたいなら普通のマウスパッドを買ってパームレストを導入したほうがいいのではなかろうか。持ち運びやすいのか。
透明なマウスパッド
これはそもそもプラスチックマウスパッドでしか存在しないためその時点でアウトなんだけど透明はさらにマズい。透明なスマホケース使ったことがある人ならわかると思うんだけどあれは黄ばむ。最高に汚い汚れ方をしてしまう。手汗でなんて地獄を見るので使えない。
小さすぎる、四角以外のマウスパッド
マウス動かせますか?みたいなサイズのマウスパッド。マウスパッドからマウス外れた時のストレスが半端ない。このマウスパッドのせいでマウスパッド不要論を唱え始めかねない。あとは犬型とか星型とかみたいな変な形のマウスパッドも同じ理由で除外。丸はギリギリ許容。
普通サイズのマウスパッド
マウスだけが乗るマウスパッド。マウスパッドといえばこのサイズ。これは除外!とまではいかないかもしれないがキーボード使用時における手汗問題の解決にキーボードも乗せられる大きいマウスパッドは手助けしてくれるから大きいマウスパッドを選びたい。あれはデスクマットだろという意見は受け付けない。マウスパッドが肥大化しただけ。
候補
ここからは条件を満たした、具体的な商品を挙げて比較していく。できるだけ明るい色がいい。ここから選ぶことになる、と思う。
エレコム デスクマット マウスパッド

今使ってるものがこれ。大きすぎるマウスパッドみたいな名前だったと思うんだけどAmazon上でその名称は確認できない。これをなんだかんだ1年以上使い続けてボロボロなので買い替えたいと思ったのが事の始まり。色がいいし厚みもあるので気に入っている。切れ端が汚いとか背面の素材のせいか使ってると机が若干黒ずむ(拭けば取れる程度)みたいな問題はある。けど1番の魅力は価格。1,000円しない。このサイズで1,000円切るのはこれくらいだと思う。半年で使い捨てても許容できる。最有力候補か。
Razer Pro Glide XXL

あのザ・ゲーミングばかりなRazer製品とは思えないほど落ち着いたデザインのマウスパッド。Razerは最近非ゲーミングデザインのデバイスも展開しており、デザインが普通に良い。価格はするがRazerなので品質は保証されるはずだ。これもそのシリーズの一貫。新しいマウスがRazerだしちょうどよく、主張の薄いRazerロゴと色が気に入ったのだけどこれはちょっと大きすぎるな、大きいのはいいんだけど。大きさのせいで価格も高め。半年切りはギリキツいかも。

一つ下のサイズもあります。今回は除外対象だがゲーミングじゃないRazer製品をお求めの方は一度覗いてみてほしい。
OAKYWOOD フェルト&コルク デスクマット

フェルトのマウスパッド。の中でも国内外で人気の製品。フェルトは温かみという点ではぶっちぎり。フェルトなら暗めの色でも受け入れられる。ただ高すぎる。7,000円。光るマウスパッドが高くてあほらしいとは言った後ではあるんだけども。半年切りの話はなくなる。フェルトの汚れ方が未知数なので汚れが目立たないことに期待して長く使い続けるのなら……?
Fosa フェルトマウスパッド

これもフェルトマウスパッド。安物の方。Razerの布製のより安い。これでもいいような気はしてくるけど薄さが気になった。フェルトのマウスパッドは軒並み薄いのだけど前述の高級フェルトマウスパッドは流石に丸まったりはしないだろうがここのは怪しい。安っぽさもフェルトだと顕著な気がする。ただただ初フェルトにこの価格のハードルは低くてよい。
Varmilo EC Mechanical Switch Mousepad XL

メカニカルキースイッチの設計図のようなものが黒背景に白ラインだけで描かれたもの。デザインとしては案外うるさくなくて良さげ。いろんな人が使ってるからこれ買っても目新しさはないんだけどその人気もうかがえるほど、無地でないマウスパッドであればこのデザインは唯一良いデザインだ。
マウスのためのマウスパッドはもういない
マウスパッドが必要かどうかはもはや個人に委ねられるほどマウスパッドの存在意義はなくなってしまった。これはマウスパッドがマウスを扱いやすくするという本来の意義が薄れてしまったことが原因なのだが、薄れたのは本来の意義だけであって、他に見出すことはまだできる。私が除外した光るマウスパッドやアニメマウスパッドはそのいい例で、マウスを扱いやすくするという機能性はまっっったく進化してないのに見た目のための要素だけが尖っているのだ。あれらこそ今のマウスパッドの在るべき姿なのかもしれない。
マウスパッドはその尊厳を失ったことで自由になりました。とさ。
画像はすべて自作したものです